カフェの店内で飲食を提供するだけでなく、「手作りの焼き菓子やパンを袋詰めして、お土産やテイクアウト用として本格的に販売したい」という場合は、飲食店営業許可とは別に「菓子製造業許可」の取得が必要になる可能性が非常に高いです。
カフェ用と販売(製造)用で「キッチンのシンクを完全に分けなさい」と言われるなど、内装工事の基準が厳しくなるため、「カフェ + 持ち帰り販売」を両方やりたい場合は、必ず工事前に保健所に両方の基準を満たしているか確認しましょう。
1. カフェ形態(その場で提供する)
接客や調理を担うカフェや喫茶店の場合。
必要な許可:「飲食店営業許可」
💡 ポイント:店内で調理したランチやドリンクを「その場でお客さんに食べてもらう」場合は、この許可だけでOKです。
原則:カフェ(飲食店)が持ち帰り用を売るなら「プラスの許可」が必要
お店のレジ横などで、クッキーやパウンドケーキ、食パンなどを袋詰めして(テイクアウト用として)販売する場合、以下の両方の許可が必要になるのが原則です。
- 飲食店営業許可(店内でランチやコーヒーを提供するため)
- 菓子製造業許可(持ち帰り用・外販用のお菓子やパンを作るため)
💡 なぜ2つの許可が必要なのか?
保健所の考え方として、「店内で出される食べ物(その場ですぐ消費する)」と、「持ち帰って家で食べるもの(消費期限が生じる)」では、食中毒のリスクや衛生管理の厳しさが異なるため、別々の許可が必要とされてきました。※
2. 「工房」で食品を作る場合(テイクアウト・外販)
カフェでも、そこで作ったもの(クッキーやパンなど)を包装して売る」、あるいは「工房(作業所)で食品を作って外で売る」というケースです。
作ったものを「袋詰め(パッケージ)」して店頭で売る、マルシェに出店する、ネット通販する場合は、飲食店営業許可とは別に「製造業」の許可が必要です。
| 作るもの | 必要な許可(2021年法改正後) | ポイント |
|---|---|---|
| クッキー・ケーキ・食パン | 菓子製造業許可 | 以前は「店内のカフェで出す」のと「持ち帰り用で売る」ので別々の許可が必要でしたが、改正により「菓子製造業許可」があれば、そのお菓子やパンを店内でドリンクと一緒に提供することも可能になりました(規制緩和)。 |
| 総菜・お弁当・サンドイッチ | そうざい製造業許可 | お弁当のテイクアウトや、調理パン(カツサンドや焼きそばパンなど)を袋詰めして他所で売る場合に必要です。 |
| ジャム・乾燥野菜など | 営業届出(※許可ではなく届出) | 法改正により、比較的リスクの低い食品(ジャムやドライフルーツ、コーヒー豆の焙煎など)をパッキングして売る場合は、許可までは不要ですが、保健所への「届出」が義務化されました。 |
- ⚠️ 食品表示の義務:パッケージして販売・流通させる場合は、許可だけでなく「食品表示ラベル」(原材料、アレルゲン、消費期限、製造者名など)の貼付が必須となります。
3. 「工房」で食品以外(雑貨など)を作る場合
食品以外のハンドメイド雑貨を製造・販売する場合、保健所の営業許可は原則不要です。ただし、作るものによって別の法律が絡んできます。
- 木工品、陶芸、アクセサリー、刺繍、布小物など
- 必要な許可:不要。
- 注意点:特別な許可なく自由に製造・販売できます。福祉事業所の自主製品として最も参入しやすい分野です。
- 石鹸(せっけん)、リップクリーム、ハンドクリームなど
- 必要な許可:薬機法(医薬品医療機器等法)に基づく「化粧品製造販売業許可」などが必要。
- 注意点:肌に触れるものは「化粧品」扱いになるため、非常にハードルが高いです。「雑貨(洗剤や芳香剤)」として売る場合は許可不要ですが、「肌がツルツルになる」といった効果効能をうたうことは法律で禁止されています。
4. 注意点
就労継続支援A型・B型などの事業所を想定した場合
- 「食品衛生責任者」は職員(プロ)でOK
- 調理や製造を行う利用者が資格を持っていなくても、事業所の職員(サビ管や指導員など)が1名「食品衛生責任者」の資格(1日の講習で取得可能)を持っていれば、お店や工房の許可は下ります。
- 給食(利用者の昼食)を出す場合の届出
- カフェとして外部にお客さんを呼ぶのではなく、通所している障がい者の方への「お昼ご飯(給食)」を施設内で作って提供する場合、1回20食以上であれば保健所への「集団給食施設の届出」が必要になります。
💡 2021年の法改正による変化と「グレーゾーン」
2021年(令和3年)6月の改正食品衛生法以降、自治体や保健所によって「どこまで厳しく分けるか」の運用が少し柔軟(あるいは逆に厳しくなった)になりました。
①「菓子製造業許可」だけあれば、店内で出せるようになった(規制緩和)
法改正により、「菓子製造業」の許可を持っていれば、そこで作ったケーキやパンを店内でドリンクと一緒に提供(カフェ営業)することが認められるようになりました(飲食店営業許可を重ねて取らなくてもよくなったケースがあります)。
②「飲食店営業許可」だけで、どこまでテイクアウトしていいか?(保健所の判断)
実は、「店内のメニューをそのまま、簡易的な容器(パックや紙袋)に入れて持ち帰らせる」だけであれば、飲食店営業許可だけでOKとされることが多いです(例:ハンバーガーショップのテイクアウトなど)。
しかし、「あらかじめ袋詰め・パッケージングして、賞味期限などを貼ってレジ横で売る」「事業所の外のマルシェ(市場)やネットで売る」
という場合は、飲食店営業許可だけでは完全にアウトで、必ず「菓子製造業許可」の取得や、専用の製造部屋(厨房)を分けることを求められます。


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