自己決定権は制度の中でどう守られるのか
1. 自己決定権とは何か
障害があっても、
認知症があっても、
「どこで暮らしたいか」
「誰と暮らしたいか」
「何を大切にしたいか」
本来、人生の主人公は本人である。
自己決定と意思決定
| 概念 | 自己決定(Self-Determination) | 意思決定(Decision-Making) |
|---|---|---|
| 定義 | 自らの生命やライフスタイルについて、意図的に自分で選択し決定すること。 | 問題解決や目標達成のために複数の選択肢を比較し、どれか一つを選び取る認知的なプロセス。 |
| 特徴 | 価値観や人生観が反映され、決定したことに対する責任が本来は伴う。 | 状況の把握や結果の予測といった論理的な判断が伴う。 |
2. しかし現実には
判断能力が低下すると、
「危ないから」
「本人のためだから」
という理由で、
周囲が代わりに決めてしまうことがある。
ここで、
保護と自己決定は、時に衝突する。
3. 成年後見制度の課題
成年後見制度は本人を守るための制度として作られた。
しかし、
という問題が指摘されてきた。
4. だから今、「意思決定支援」が重視されている
最近の考え方は、
「代わりに決める」ではなく
「本人が決めることを支える」
というもの。
厚労省も、
後見人は本人の意思を尊重し、
共に考える「意思決定支援」を重視するとしている。
2026年 成年後見制度の抜本的見直し
1. 目的達成で終われる「終身制」の廃止
従来の制度では、一度利用を開始すると本人の判断能力が回復しない限り、一生涯やめることができなかった。
改正後は、遺産分割協議や不動産の売却など、あらかじめ設定した「目的」が完了し、支援を継続する必要性がなくなったと家庭裁判所が認めれば、制度を終了できるようになる。
2. 「後見・保佐・補助」の3類型が「補助」に一本化
現行の「後見」「保佐」「補助」という区分を廃止し、本人の状態や希望に合わせて必要な支援内容を柔軟に設計する「補助」を中心としたオーダーメイド型の制度に再編。
これにより、必要以上に生活のすべてを管理されるといった事態が防ぎやすくなる。
3. 本人の自己決定権の尊重
支援(補助)の範囲を個別に限定することで、本人が自分で行える判断や行為の領域を最大限に残し、本人の尊厳と自己決定権を守る仕組みへとシフトする。
5. 私は行政書士としてどう考えるか
「本人のためだから」
という言葉は優しい。
けれど、その言葉が、
本人の声を消してしまうこともある。
制度が守るべきなのは、
財産だけではなく、
その人の人生そのものではないだろうか。



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